スタンス
世界に一つだけの花
以前の私は、
「世界に一つだけの花」
という歌に、
どこか違和感を持っていた。
オンリーワンという言葉に、
納得できなかったのである。
オンリーワンとは、
結局のところ何らかのナンバーワンなのだと考えていた。
他に代わるものがないということは、
その分野において唯一の存在であり、
それはある意味で、
ナンバーワンであるとも言える。
だからこそ、
自分の持ち場で一番を目指すことが大切だと思っていた。
向上心を持ち、
挑戦し、
努力する。
その姿勢が人を成長させると考えていた。
今も、
その考え自体は間違っていないと思う。
ただ、
年齢を重ねる中で、
少し違う景色も見えるようになった。
競争には終わりがない。
比較にも終わりがない。
承認にも終わりがない。
それらは人間に備わった自然な機能である。
だが、
そこに囚われれば執着となり、
苦しみを生み出す。
問題は、
競争そのものではなく、
それだけが成功の基準になってしまうことである。
今は、
それぞれの存在があるからこそ、
全体が成り立っている。
そんな感覚を持っている。
花には花の役割があり、
木には木の役割があり、
海には海の役割がある。
人も同じである。
それぞれの在り方があり、
それぞれの持ち場がある。
だからといって、
現状のままで良いということではない。
自分の在り方を磨く。
与えられた役割を果たす。
置かれた状況の中で、
できる限りのことをする。
その姿勢は、
これからも変わらない。
ただ、
誰かに勝つためではなく、
自分に与えられた役割を、
より深く生きるために。
オンリーワンだから努力しなくていい、
という話ではない。
むしろ、
自分に与えられた役割を磨き続けた先に、
結果としてオンリーワンがあるのだと思う。
経営者という、
資本主義のど真ん中で生きていると、
その難しさを日々感じる。
だからこそ、
成果を求めながらも、
成果だけを目的にしない。
それぞれの存在を認めながら、
自分自身を磨き続ける。
そんな在り方が、
これからの時代には必要なのではないかと思う。
一周回って、
今はこの歌が嫌いではない。
むしろ、
それぞれの存在を認めながら、
自分の花を咲かせる。
その大切さを歌った曲だったのだと、
感じている。