STANCE
スタンス
一期一会という感覚
一期一会という言葉は、多くの人が知っている。
しかし、その感覚まで伴っている人は、決して多くないように感じる。
特に、人が多く集まる場所ほど、その傾向は強いのかもしれない。
ひとつの縁が切れても、また別のつながりが生まれる。
人も仕事も、常に流動している。
だからこそ、ひとつひとつの関係に、深く向き合わなくても成立してしまう。
世話になった人へ、きちんと挨拶をしない。
誰かを紹介してもらっても、その後の報告や感謝がない。
それでも、次のつながりは生まれていく。
社会としては、それで回るのだろう。
だが、それでいいとは思わない。
人との関係が、利益や効率で判断されることもある。
自分に得があるか。
役に立つか。
そうした基準だけで、人との距離が決まっていく。
だが、人との縁は、それほど単純なものではない。
一度離れた関係であっても、時間を経て思いがけない形でつながることがある。
直接的には終わったように見えても、どこかで続いている。
人も出来事も、完全に切り離されて存在しているわけではない。
だからこそ、雑に扱わない。
細かいと言われてもいい。
面倒だと言われてもいい。
ご縁を大切にすること。
世話になったことを忘れないこと。
きちんと気持ちを返すこと。
そういうことを、軽く扱いたくない。
人との関係は、効率だけでは測れない。
どれだけ能力があるかより、どれだけ人を大切にしているか。
そこに、その人の在り方が出る。
一期一会とは、単なる礼儀作法ではない。
この瞬間も、この関係も、二度と同じ形では訪れない。
そう理解した上で、人と向き合うことである。
そうした積み重ねが、信頼になり、
やがて、
人生や仕事の豊かさにつながっていくのだと思う。